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1  高校生探偵工藤新一の事情

 

 

オレ、工藤新一。


言わずと知れた高校生探偵で、事件があればどこへも飛んでいく。


謎解きが何よりも大好きで、夢中になると他のことが見えなくなるほどだ。


だからその好奇心が災いして、厄介な事件に巻き込まれてしまうなんてことも実は少なくない。

実際、オレは今、とてつもなく大きな問題を抱えていた。

ほんの少し前まで、オレは「江戸川コナン」なんていう小さなガキだった。

とある闇の組織にあやしげな薬を飲ませれたせいだ。


奴らはほんとはオレを殺すつもりだったようだけど、オレはというと、縮んだだけで死ななかった。奴らにとっては予定外のこと。


それからオレは、不本意ながら小学生として仮の姿を演じてきたわけだが、灰原が開発した解毒剤のおかげで、なんとか元の姿を手に入れることができた。

けれど、それで全てが解決したわけではなく。
組織は今もどこかに存在して、口封じのためにオレの命を狙っているのだから。

やられっぱなしは、性に合わない。
奴らがどんな大きな組織だろうと、絶対尻尾をつかんで、表へ引きずり出してやる。
オレはそう誓った。

 

あ〜。そうは言っても、全く手がかりゼロなんだよな・・・。
パソコンのキーボードを忙しなく叩きながら、スクリーンに目を光らせる。


ちょっとした違法行為で、やばそうな情報も手に入れられるようになったけど、今日も関係ありそうなのは無いしな・・・・。

いいかげん、目が疲れてきた。
ああ、もう夜中の3時じゃん。
ヤメた。目薬さして、今日はもう寝よう。

大きな欠伸を一つしたところで、オレは固まった。
スクリーンの隅のほうにある情報に目がくぎ付けとなって。

そこには「あるオークション開催」に関する文面が載っていた。
見るからに胡散臭そうなそれは、要するに盗品のオークションだ。
その主催関係者の中に奴らと関係ありそうな名が連ねてあったからだ。

来たのか?ついに!
オレは自分の心臓が早鐘のように鳴り響くのを感じた。

確証はない。
けれど、確かめるには行くしかない!

それからオレは、オークションに関するデータを必死で集められるだけ集めた。
結果として徹夜になったわけだが。

日が完全に昇り、幼馴染の蘭が一緒に登校しようと迎えに来たが
オレの目の下のクマはかなりすごかったに違いない。

「新一・・・・。ま〜た、徹夜で推理小説でも読みふけってたんでしょ?すっごい顔してるわよ。仕方ないわね。少し寝てたら?
先生にはうまく言っといてあげるから。」

「・・・サンキュー・・・」

ほんとお前って気が利く女だよなぁ〜。
恩に着るよ。

オレは少しすまなそうな顔をして蘭を見送った。

さて、ほんとは大人しく寝るつもりなんてさらさらないんだけどね。
オークション潜入について、対策を練らないと。
ああ、ついでに博士んとこにも顔を出しとかなきゃ。
なんか使えるメカをおねだりしておかないと。

オレは寝不足でウサギのような真っ赤な目をこすりながら、
隣の阿笠邸の門をくぐる。

そうだ、ついでに、朝メシもこっちでごちそうになろ〜っと。

 

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